후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田 魯庵의 新編 思い出す人々(ふたばていよだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,401자 · 427화면
独逸といえば、或る時鴎外を尋ねると、近頃非常に忙がしいという。何で忙がしいかと訊くと、或る科学上の問題で北尾次郎と論争しているんで、その下調べに骨が折れるといった。その頃の日本の雑誌は専門のものも目次ぐらいは一と通り目を通していたが、鴎外と北尾氏との論争はドノ雑誌でも見なかったので、ドコの雑誌で発表しているかと訊くと、独逸の何とかいう学会の雑誌(今はその名を忘れた)でだといった。日本人同士が独逸の雑誌で論難するというは如何にも世界的で、これを以ても鴎外が論難好きで、シカモその志が決して区々日本の学界や文壇の小蝸殻に跼蹐しなかったのが証される。
鴎外の博覧強記は誰も知らぬものはないが、学術書だろうが、通俗書だろうが、手当り任せに極めて多方面に渉って集めもし読みもした。或る時尋ねると、極細い真書きで精々と写し物をしているので、何を写しているかと訊くと、その頃地学雑誌に連掲中の「鉱物字彙」であった。ソンナものを写すのは馬鹿馬鹿しい、近日丸善から出版されるというと、そうか、イイ事を聞いた、無駄骨折をせずとも済んだといった。(それから一と月ほどして出版されたのを寄送すると、大遍喜んだ礼状をよこした。