후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田 魯庵의 新編 思い出す人々(ふたばていよだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,401자 · 427화면
「そんな事をいわずに墓碑の篆額を書くツモリで書いてくれ」と重ねていうと、「墓碑なら書くよ、生きてる中は険呑だから書かんが、死んだら君の墓石へ書いてやろう、」といった。
「調戯じゃない。君と僕とドッチが先きへ死ぬか、年からいったって解るじゃないか。」
「そりゃア解ってるさ。君のようにむやみと薬を飲むカラダじゃないからね。年なんかアテにならん。僕がアトへ残るのは知れ切ってる。こりゃあマジメだよ、君が死ねばきっと墓石へ書いてやる。森に墓銘を書かせろと遺言状に書いて置いてもイイ、」と真顔になっていった。
一度冠を曲げたら容易に直す人でないのを知ってるからその咄はそれ切り打切とした。が、万一自分が鴎外に先んじたらこの一場の約束の実現を遺言するはずだったが、鴎外が死んでしまったのでその希望も空しくなった。これは数年前、故和田雲邨翁が新収稀覯書の展覧を兼ねて少数知人を招宴した時の食卓での対談であった。これが鴎外と款語した最後で、それから後は懸違って一度も会わなかったから、この一場の偶談は殊に感慨が深い。
私が鴎外と最も親しくしたのは小倉赴任前の古い時代であった。近時は鴎外(のみならず他の文壇の友人)とも疎縁となって、折々の会合で同席する位に過ぎなかったが、それでも憶出せば限りない追懐がある。