후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田 魯庵의 新編 思い出す人々(ふたばていよだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,401자 · 427화면
この工場と相対ってる北側に、今は地震で崩されて旧観を更めてしまったが、附属の倉庫の白壁の土蔵があった。硯友社という小さな標札がこの土蔵の戸口に掛ったのがタシカ明治二十一年夏の初めであった。尤も『我楽多文庫』はそれより二タ月前頃から公刊されていたが、飯田町の国学院大学の横町の尾崎の家を編輯所兼発行所としていた頃には誰にも余り知られなかった。人通りの多い中坂上に看板を掛けてから初めて行人の目を牽いた。
馬琴の後裔だという瀬戸物屋は爰から僅か十二、三軒目であった。馬琴が江戸一の作者として盛んに鳴らした頃は手習師匠であったし、家主であったし、殊にあれだけの学問見識があったのだから、馬琴の清右衛門は必ず町内の学者でもあり口利きでもあったに相違なく、硯友社の札を掛けたあたりは大方清右衛門の世話になっていたろうと思う。少くも硯友社は馬琴の下駄の迹を印し馬琴の声を聞いた地に育ったので、幽明相隔つるといえ、馬琴と硯友社とはいわば大家と店子との関係であった。
更にこの中坂について最う一つ記憶すべき事がある。その頃の『読売新聞』の投書欄は当時の唯一の文芸場であって、前島和橋、南新二、琴通舎康楽、高畠藍泉というような当時の名流が盛んに寄書して紙面を賑わしていた。