후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田 魯庵의 新編 思い出す人々(ふたばていよだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,401자 · 427화면
劇の本舞台として建設したのが即ち鹿鳴館である。今でこそ樟脳臭いお殿様の溜の間たる華族会館に相応わしい古風な建造物であるが、当時は鹿鳴館といえば倫敦巴黎の燦爛たる新文明の栄華を複現した玉の台であって、鹿鳴館の名は西欧文化の象徴として歌われたもんだ。
当時の欧化熱の中心地は永田町で、このあたりは右も左も洋風の家屋や庭園を連接し、瀟洒な洋装をした貴婦人の二人や三人に必ず邂逅ったもんだ。ダアクの操り人形然と妙な内鰐の足どりでシャナリシャナリと蓮歩を運ぶものもあったが、中には今よりもハイカラな風をして、その頃流行った横乗りで夫婦轡を駢べて行くものもあった。このエキゾチックな貴族臭い雰囲気に浸りながら霞ガ関を下りると、その頃練兵場であった日比谷の原を隔てて鹿鳴館の白い壁からオーケストラの美くしい旋律が行人を誘って文明の微醺を与えた。今なら文部省に睨まれ教育界から顰蹙される頗る放胆な自由恋愛説が官学の中から鼓吹され、当の文部大臣の家庭に三角恋愛の破綻を生じた如き、当時の欧化熱は今どころじゃなかった。
先年侯井上が薨去した時、侯の憶い出咄として新聞紙面を賑わしたのはこの鹿鳴館の舞踏会であった。