후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田 魯庵의 新編 思い出す人々(ふたばていよだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,401자 · 427화면
その何番目かの娘のおらいというは神楽坂路考といわれた評判の美人であって、妙齢になって御殿奉公から下がると降るほどの縁談が申込まれた。淡島軽焼の笑名も美人の噂を聞いて申込んだ一人であった。
然るに六十何人の大家族を抱えた榎本は、表面は贅沢に暮していても内証は苦しかったと見え、その頃は長袖から町家へ縁組する例は滅多になかったが、家柄よりは身代を見込んで笑名に札が落ちた。商売運の目出たい笑名は女運にも果報があって、老の漸く来らんとするころとうとう一の富を突き当てて妙齢の美人を妻とした。
尤も笑名はその時は最早ただの軽焼屋ではなかった。将軍家大奥の台一式の御用を勤めるお台屋の株を買って立派な旦那衆となっていた。天保の饑饉年にも、普通の平民は余分の米を蓄える事が許されないで箪笥に米を入れて秘したもんだが、淡島屋だけは幕府のお台を作る糊の原料という名目で大びらに米俵を積んで置く事が出来る身分となっていた。が、富は界隈に並ぶ者なく、妻は若くして美くしく、財福艶福が一時に集まったが、半世の奮闘の労れは功成り意満つると共に俄に健康の衰えを来した。加うるに艶妻が祟をなして二人の娘を挙げると間もなく歿したが、若い美くしい寡婦は賢にして能く婦道を守って淡島屋の暖簾を傷つけなかった。