일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田 魯庵의 新編 思い出す人々(ふたばていよだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,401자 · 427화면

아오조라 문고

何でも個性を発揮しなければ気が済まないのが椿岳の性分で、時偶市中の出来合を買って来ても必ず何かしら椿岳流の加工をしたもんだ。

なお更住居には意表外の数寄を凝らした。地震で焼けた向島の梵雲庵は即ち椿岳の旧廬であるが、玄関の額も聯も自製なら、前栽の小笹の中へ板碑や塔婆を無造作に排置したのもまた椿岳独特の工風であった。この小房の縁に踞して前栽に対する時は誰でも一種特異の気分が湧く。就中椿岳が常住起居した四畳半の壁に嵌込んだ化粧窓は蛙股の古材を両断して合掌に組合わしたのを外框とした火燈型で、木目を洗出された時代の錆のある板扉の中央に取附けた鎌倉時代の鉄の鰕錠が頗る椿岳気分を漂わしていた。更にヨリ一層椿岳の個性を発揮したのは、モウ二十年も前に毀たれたが、この室に続く三方壁の明り窓のない部屋であった。周囲を杉の皮で張って泥絵具で枝を描き、畳の隅に三日月形の穴を開け、下から微かに光線を取って昼なお暗き大森林を偲ばしめる趣向で、これを天狗部屋と称していた。この人の顔さえ定かならぬ薄暗い室に端座してベロンベロンと秘蔵の琵琶を掻鳴らす時の椿岳会心の微笑を想像せよ。恐らく今日の切迫した時代では到底思い泛べる事の出来ない畸人伝中の最も興味ある一節であろう。