후리가나로 읽는 일본 고전
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
佐々木 味津三의 旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 240,656자 · 478화면
怒ったのも無理がない。もぐり大名との一言に、あの両名を筆頭にした七八名の供侍達が、ばたばたと駈け戻って気色ばみつつ詰め寄ろうとしたのを、
「頭が高いッ、控えいッ、陪臣共が馴れがましゅう致して無礼であろうぞッ。当家御門前を何と心得ておる。まこと大名ならば素通り罷りならぬものを、知らぬ顔をして挨拶も致さず通りぬけるは即ちもぐりの大名じゃッ。その方共は島津の太守の名を騙る東下りの河原者かッ」
「なにッ、名を騙るとは何事じゃッ、何事じゃッ。よしんば長沢松平家であろうとも、御門が閉まっておらば素通り差支えない筈、ましてや貴殿ごとき素姓も知れぬ旅侍にかれこれ言わるる仔細ござらぬわッ。供先汚して不埒な奴じゃッ。搦めとれッ、搦めとれッ。行列紊す浪藉者は、打ち首勝手たること存じおろう! 覚悟せい! 覚悟せい」
競いかかろうとしたのを、霹靂の一声でした。
「無礼者、土下座せい! これなる袱紗の葵御紋所目にかからぬかッ。わが身体に指一本たりとも触れなば、七十三万石没所であろうぞッ。畏くもお墨付じゃ。土下座せい!」
叱しながら、バラリ袱紗を払いのけて恭しく捧持しながら、ずいと目の前にさしつけたのは、前の将軍家光公御直筆なる長沢松平家重代のあのお墨流れです。