후리가나로 읽는 일본 고전
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
佐々木 味津三의 旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 240,656자 · 478화면
一〇
御遠慮なくどうぞあれへ――」
指さしたのは駕籠である。
それも只の乗物ではない。二挺ともにためぬり、定紋入りの屋敷駕籠なのでした。
「まだ計るつもりか!」
「計るとは?」
「御前もこの手でたばかったであろう! われら二人も計るつもりか!」
「滅相もござりませぬ。あの通り陸尺どもは只の下郎、御案内いたすものはこの手前ひとり、計るなぞとそのような悪企み毛頭ござりませぬ。早乙女の御前は少々他言を憚るところに至って御満悦の体にてお越しにござりますゆえ、そこまで御案内を申上げるのでございます。どうぞお疑いなくお乗り下されませ」
「よしッ。乗ってやろう。菊どの、御油断あってはなりませぬぞ」
「あなたさまも!」
乗るのを待って駕籠は、小侍を道案内に立てながら、しずしずと歩き出しました。
一〇
土手沿いに午込御門へ出て、そこから濠ばた沿いに右へ道をとり、水戸邸の手前からさらに左へ折れて、どうやら駕籠は伝通院を目ざしているらしいのです。
目ざしているところも不思議だが、今か今かと油断なく駕籠の中から左右へ目を光らしていたのに、出る気色もない。
やがて乗りつけたところは、やはり伝通院でした。