후리가나로 읽는 일본 고전
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
山本 周五郎의 風流太平記(ふうりゅうたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 244,473자 · 487화면
とかよはくすっと笑った。
「本当は三郎さまは思い違いをしていらっしゃるのよ、御存じないでしょ」
「なにが思い違いですか」
「あなたはね、――云ってもいいかしら」
かよは媚のある眼で、じっと万三郎をみつめながら云った。
「あなたが本当にお好きなのはね、つなさんじゃないっていうこと、つなさんを好きだと思っているのは、御自分の思い違いだっていうことよ」
「ほほう、――」
万三郎はにやっとした。
「それが思い違いだとすると、私が本当に好きな人はほかにいるというわけですね」
「もちろんですわ」
「教えてもらいましょう、誰です」
「わ、た、く、し、――」
一字ずつ句切って、あまえたような、舌ったるい調子で、しかしはっきりと云った。
万三郎は毒気をぬかれた。
「貴女ですって、私が貴女を」
「お好きなんですの」
かよは躯ごと向うを向いた。そうして恥ずかしさを隠すためだろうか、こちらへ背中を向けたまま、羽折の下でしきりになにかしながら云った。
「あなたは長崎にいらっしゃるうちに、つなさんのことをお聞きになって、あの方をお嫁にもらうおつもりになったでしょ、そのことがあなたのお頭に残っていて、まだ約束もなにもなさらないのに、まるで許婚かなんかのような気持でいらっしゃるんですわ」