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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
「妾の半生涯」東京堂、1904(明治37)年10月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 64,051 字 · 122 页
五 看守の無学無識
を催し、彼らにしてもし妾より先に自由の身とならば、妾の出獄を当署にて聞き合せ、必ず迎えに来るようにと言い含め置きたりしも、両女は終に来らざりき。妾出獄の後監獄より聞きし所によれば、両女ともその後再び来らず、お花は当市近在の者にて、出獄後間もなく名古屋へ娼妓に売られたり、またお菊は叔父の家にも来らず、その所在を知るに由なしとの事なりき。ともかくも妾の到る処何処の監獄にてもかかる事の起りしは、知らず如何なる因縁にや。あるいはこの不自由なる小天地に長く跼蹐せる反響として、かく人心の一致集注を見るならんも、その集中点の必ず妾に存せるは、妾に一種の魔力あるがためならずや。もし果してさるものありとせば、好しこの身自由となりし時、所有不幸不遇の人をも吸収して、彼らに一縷の光明を授けんこと、強ちに難からざるべしとは、当時の妾が感想なりき。
五 看守の無学無識
当市の監獄には、大阪のそれと異なりて、女囚中無学無識の者多く、女監取締りの如きも大概は看守の寡婦などが糊口の勤めとなせるなりき。されば何事も自己の愛憎に走りて囚徒を取り扱うの道を知らず。偏に定役の多寡を以て賞罰の目安となせし風なれば、囚徒は何日まで入獄せしとて改化遷善の道に赴かんこと思いもよらず、悪しき者は益※(二の字点、1-2-22)悪に陥りて、専心取締りの甘心を