轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

「夕刊朝日新聞」1951(昭和26)年6月18日~9月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,360 字 · 251 页

青空文庫

「休んでるんじゃないのかというのさ」

「どう致しまして、休んでたって一つ木の若さまなら」

なをには珍しく、お定りのあいそを云いながら、先に立って二階へあがった。

汗を拭き、浴衣に着替えるあいだも、なをはうきうきした調子で、つかぬようなことを話しつづけた。かつての、淋しげな顔だちが、おどろくほど明るく、活き活きとみえ、大きな身ぶりをしては、しきりに笑った。

――恋人でもできたか、縁談でもまとまったのか。

こう想像した半之助は、いつだったか、彼女が沈んだようすで、

――聞いて貰いたいことがあるのだが、と云ったことを思いだした。

――でもこの次にしましょう。

そんなふうに、自分ですぐうち消したが、そのときすでに、恋人ができるとか、縁談があるかして、相談をしかけたのではないか。半之助はこう思ったので、

「ばかに嬉しそうだな」と、彼もまた珍しく軽口をきいた、「いつか話したいことがあると云っていたようだが、なにかいいことがあったとみえるな」

「あら、覚えていて下すったんですか」

なをは半之助の脱いだ物を片づけながら、しなをつくるように横眼で見た。

「やっぱり情があるわね、若さまは」