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しそうとしてのぶんがく
思想としての文学
戸坂 潤
「思想としての文学」三笠書房、1936(昭和11)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 页
第一部
1 批評に於ける文学・道徳・及び科学
第一部は文学の比較的基本的な一般的テーマを、第二部は文学が含む個々の問題を、第三部は文学の割合周辺に位置する問題を、取り扱った。無論略々一貫した観点で貫かれていると云っていい。
どの文章も時局的な意味のある主題に従ったものだが、併し時評を主目的としたものは載せなかった。――文学に直接関係ある文章は拙著『日本イデオロギー論』〔本全集第二巻〕と『現代哲学講話』〔第三巻〕とに少なくない。之を再録しないのは不便であるが止むを得ないだろう。但し絶版にした旧著『現代のための哲学』中から、「純文学の問題」と「共通感覚と常識」という相当古く書いた二項目を保存することにした。之はこの絶版本の改訂再版(『現代哲学講話』)には載せなかった部分にぞくしていたからである。
校正その他に就いて本間唯一氏を煩わした。
一九三六・二
東京
戸坂 潤
第一部
1 批評に於ける文学・道徳・及び科学
論理学の教科書などには、表象と概念とを区別して、前者を心理的なもの後者を論理的なもの、としているものが少なくない。だが、何かの内容なり対象なりを指し示さない表象はないのだから、表象であってもいつも、何等かたとえば「意味する」