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しそうとしてのぶんがく

思想としての文学

戸坂 潤

「思想としての文学」三笠書房、1936(昭和11)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 页

青空文庫

六

この内容の或る段階に応じて、スローガンとしての「唯物弁証法的創作方法」というものもあったのであるし、又あるのであると考えるべきである。

六

では文学制作の本質的な内容としての(スローガンとしてのではない)唯物弁証法的制作方法とは何か。それは様々に説明され得るし、又事実、様々に解説されてもいるが、少なくとも、唯物弁証法のプリンシプルがその題材とテーマと手法とに、一貫していなくてはならない。どういう題材を用いて、どういうテーマを選び、どういう仕方でそのテーマを形象化す(表現する)か、という点に、この制作方法が唯物弁証法的認識(それは理論と科学とのものだ)と根柢的に連関し、之に平行し同一性を示す処がなければならないというわけである。唯物弁証法による理論的認識は、云うまでもなく、それだけで何等の文学的真理内容も持たないが、文学的内容が(併し内容とはすでに形式とゲハルトとの結合であることを忘れてはならぬ)真理であるためには、理論的認識によって到達された理論的真理をば文学的形象にまで兌換したものに相応するだけの内容を有つことが必要だ。この兌換の手続きが、題材・テーマ・手法等々の採り方に他ならないが、それが取りも直さず「唯物弁証法的な制作方法」