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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1925(大正14)年7月30日~11月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,960 字 · 247 页

青空文庫

」

「何です。それは。」

「つまりね。狐が鶏をねらって来たのを、犬が見破って、狐を追いかける歌なのよ。」

「それが、どうしたのです。」

「どうもしないの。ひょっくり思い出したの、意味もなく。」

「僕達のことを皮肉っているのじゃありませんか。」

宮田は、苦笑しながらいった。

「なあぜ。」

「僕達が、つまり狐だというのでしょう。」

「あら。」

「そうでしょう。つまり、村川君が犬ですな。犬も、ポインターか、セッターか形のいい猟犬だ。村川君の役まわりからいって、きっとそうだ。つまり、悪漢を追いかける色男役ですな。」

宮田は確信をもっていった。

京子は、笑いくずれた。

「まあ、邪推ぶかい方ね。」

「だって、そうですよ。そうじゃありませんかね。ね社長! だから僕はここへ来ることは、賛成しなかったんだ。」

「あははははは。まあ、そう悲観しなさんな。時々は追いかけられてみるのもいいじゃないか。村川君どうぞお手やわらかに。」

今井が、宮田の冗談に調子を合せた。

「じゃ、鶏はだれ?」

「むろん、あなたと倭文子さん。」

「あたしなんか、鶏じゃなくってよ。狐なんかにねらわれないわ。」

「じゃ、倭文子さんだ。