轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页

青空文庫

爾余の者は面白そうにそう云って笑った。

蝮はしかし穏しく、銭形模様の美しい体を、五寸ばかり懐中から抜き出して、陽の中でその体をテラテラ光らせ、口から緋色の舌を吐いてみせた。が、やがて懐中の中へ、引かれた紐のようにはいって行った。

蝮の持ち主のこの女は、頼春の妻の早瀬であった。

早瀬が自家をさまよい出たのは、数年前のことであり、愛する良人の頼春が、多治見ノ四郎二郎国長の館を、六波羅勢と一緒に攻め、その戦場から行方不明になったと、そう耳にしたその日からであった。

彼女には良人の心持ちが、ハッキリわかるように思われた。

(あの人が宮方に一味したという、そういう秘密をわたしに話した。それをわたしがお父様に告げた。その結果あの人はお父様に強いられ、厭応なしに宮方を裏切り、武家方六波羅方に返り忠をなされた。その結果があんな騒動となり、あの人の一族の土岐頼兼様や、多治見ノ四郎二郎国長様が、むざむざ討たれてお果てなされた。……それをあの人は後悔されたのだ。そうして返り忠の武士として、六波羅方にお仕えし、安閑と生活なさることを恥じ、行方不明になられたのだ)

そう彼女には感じられた。