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ふしぎくにたんけん

ふしぎ国探検

海野 十三

「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页

青空文庫

だから二億五千万年も走りたくても、生命がつづかないや」

「それは心配いりません。わたくしの樽ロケットは、光よりも早く走ります。一億光年を一分間で走ることもできます。よく見ておいでなさい」

ポーデル博士は自信ありげにいった。

「では、ぼくたちの生命は大丈夫ですね。また帰ってくるまで、大丈夫ありますね」

「東助君、生命のこと、たいへん心配しますね」

「だって途中で生命がなくなっては、来月から『ふしぎ国探検』ができなくなりますからねえ」

「ほう、そうですか。では、あと十五分で、もとの原へもどしてあげます。だから心配いりません。さあ、それでは極微の世界にお別れして、逆の方向へとびますよ」

博士がそういって、レバーを切りかえると、東助とヒトミのからだは、ほんのすこしの間だけだったが、大きな力でおしつぶされるような感じをうけた。二人はびっくりして、窓にかじりついた。

その二人の目の前に、さっきとは逆に、水玉が見えたと思うと、次はそれが黄色い花びらになり、もっと縮まってたんぽぽの花になった。それはもっともっと縮んで、たんぽぽとれんげ草の花畑となり、もっともっと縮んで飛行機から見下ろした武蔵野の風景となり、それから南と北に分れて太平洋と日本海が藍色に見えだした。