轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よっつのみやこ

四つの都

織田 作之助

「映画評論 第一巻四号」1944(昭和19)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,005 字 · 62 页

青空文庫

三 口縄坂の坂上。

四 町。

きっとあの髭のせいかも知れないわ。若い癖にあんな髭なんか生やして……。それに、あの人が来ると、きっと雨が降るのよ」

三 口縄坂の坂上。

胴乗り遊びをしていた子供達は、雨がきつくなったので、たまりかねて四方へ散らばる。

四 町。

新吉が雨の中を、新聞を配って一心に走っている。ここは、道が碁盤の目のように細かく分れているので、新吉はこの町角を右へ折れ、次の町角を左へ折れ、第三の町角を右へ折れ……など実に忙しい想いをしなければならない。

そして、やっと自分の住んでいる町へ来る。

薬局があり、銭湯があり、大衆食堂があり、産婆があり、本屋があり、歯医者があり、煙草屋があり、寄席があり、ラジオ屋があり、標札屋があり、古道具屋のある町である。露地の多い町で、例えば標札屋と、ラジオ屋を二軒中にはさんで、凹の字に通ずる露地がある。――その凹の露地の一方の入口へはいった新吉は、新聞を露地の家々へ配って、あっという間に、別の入口から――出て来たところは、矢野名曲堂の表である。(自分の家だ)新吉が家の前で繃帯をとっていると、夜店出しのおっさんが、車を曳いて帰ってくる。

新吉「おっさん、もう帰りか? えらい早かったなァ」