轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よっつのみやこ

四つの都

織田 作之助

「映画評論 第一巻四号」1944(昭和19)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,005 字 · 62 页

青空文庫

庄平、医療器具をしまってから、ヒョイと手を伸し、

庄平「それは、こう詰めるんです」

瞬く間に詰めてしまう。

節子「そうでしたわね、角を捨てるのが判らなかったのですわ」

庄平「簡単ですよ、その詰将棋は」

節子「あのゥ、一番教えて頂けません?」(もじもじして言う)

庄平「こっちが負けるかも知れないが……」

庄平、トランクをおろして、それを自分の膝と節子の膝の間へ橋渡しする。そして、その上へ将棋盤を置く。

庄平(駒を並べながら)「然し、どうして将棋なんか知ってられるんです」

節子(駒を並べながら)「父に教わりましたの、私達はハワイの田舎にいたものですから、将棋をする相手がなくって、それで私を相手に……」

庄平「ハワイ仕込みの将棋ですな」

節子「駒を並べているとなくなった父を想いだしますわ、父は昨年なくなりましたの。ですから、私一人ぽっちで、この間の交換船で帰って参りましたの」

庄平「ほう? ……さあ、やりましょう」

節子「私が先手」

庄平「あ、あなたの飛車と角と入れ換ってますよ」

節子(頭に手をやる)「あら、御免なさい」

慌てゝ駒を置きかえる。

そして、指し始めるが、庄平は頻りに首をひねって呟く。