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よっつのみやこ

四つの都

織田 作之助

「映画評論 第一巻四号」1944(昭和19)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,005 字 · 62 页

青空文庫

いわば私は見込まれたのである。私はことの意外に驚きながら、見込まれた理由を訊してみた。第一回演出作品に素人のシナリオを選ぶことは冒険に過ぎやしないだろうか、それに私のシナリオ・ライタとしての適不適も未知数(かつて溝口氏のために「わが町」のストーリを書いたことはあるにせよ)であるし、恐らく大船の内部でも異論はあるのではなかろうかと。

ところが訊いてみると、私の小説には映画的な話術と感覚があるらしいのだ。だから、シナリオも書けないことはあるまいとのおだてであった。なるほどそう言われてみれば、かつて親友杉山平一君より、君のあの小説のあそこはシナリオだねといわれたこともあったっけと、私はあっという間にこのおだてに乗ってしまった。私はその場で答えた。書いてみましょう、しかし「清楚」一本では映画にならないかも知れないと。

ところが、おかしいことに大映、東宝からも同じように「清楚」の映画化の話があり、「清楚」は映画化にならないという私の考えは間違っていたらしかった。果して脱稿したシナリオ『四つの都』には「清楚」の話が六分ノ一はいったという結果になった。さて、「清楚」