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よっつのみやこ

四つの都

織田 作之助

「映画評論 第一巻四号」1944(昭和19)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,005 字 · 62 页

青空文庫

二〇 寄宿舎。

二一 町。(新吉の回想)

二二 名曲堂。

江藤(庄平に)「君、一寸失敬!」

二〇 寄宿舎。

少年工達がゼスチャア遊びをしている。

少年工のA、鉛筆をしきりに振る。体温計のつもり。そして打診の真似をする。

少年工のB「お医者さん!」(と当てる)

少年工のC「当りました」

ざわめき。

少年工のD(新吉に)「君だよ」

新吉、うながされて起つ。

部屋の中を走り、新聞を投げ入れる真似をする。

少年工のE「新聞配達!」

少年工のC「当りました」

少年工達「うまい、うまい、そっくりだ!」

新吉、窓側に寄る。

雨が降っている。

カメラ、窓の外から新吉を見る。

新吉故郷を回想する。新吉の顔にダブって、次のシーンへ。

二一 町。(新吉の回想)

新吉が夕刊を配って走る。雨が降っている。

新吉、凹の露地の一方の入口から入る。そして、もう一つの入口から出て来たのは、もう新吉ではない。別の新聞配達の少年だ。(こゝから回想を離れて現実の町となる)

少年は標札屋へ夕刊を入れる。

それから、その隣りの矢野名曲堂の硝子扉へ夕刊を入れる。

二二 名曲堂。

鶴三が奥から銭湯行きの姿で出て来て、葉子に話しかける。葉子は店の間に置いた小鳥に餌をやっている。

鶴三「どうだ? 鳴いたか」