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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

おわり」

やれやれ、妙な引きつぎ事項である。しかし艇長室の仕事は、まずこんなところである。風間三郎は、木曾九万一のいったとおりを、もう一度おさらえして喋ってみる。

「あっ、いい忘れた。オルゴールの曲は『愛馬進軍歌』をやってくれってさ」

木曾のクマちゃん、地金を丸だしにして、あわてて、後につけた。

「分りました。交替艇夫、休息についてよろしい」

「え、えらそうなことを!」

木曾は、赤い舌をぺろんと出して、風間をからかった。そして、うやうやしく挙手の礼をかえして、廊下を向こうへいった。

こうして、風間三郎が、本日の第一直をうけもつこととなった。次の交替時間は十二時であった。だから今から四時間を、艇長室にいて、艇長の身のまわりの用を足すのであった。

風間は、艇長室の扉の把手に手をかけたが、どうしたわけか、すぐ手を放した。そしてその手で、指を折りかぞえ出した。

「ええと、一つ、コーヒー沸しは、もうすこしで、ぶくぶく噴き出すぞ。それから二つ、ええと、ゴム風船の地球儀は、印度洋の附近を書いていられるところだと。それから三つ、オルゴールは『愛馬進軍歌』なり。それからもう一つ何かあったようだが……」