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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

艇長は、それをみながら、また更に目盛盤を、うごかした。すると、映写幕のうえの像が急にはっきりしてきた。

「ほら、うまく出てきた。これが地球の夜明けだ。いや、夜明けは、この端のところだけで、きらきら光っているところは、もうすっかり朝になっている」

「えっ、地球が見えているんですか、なんだか銀の櫛みたいだなあ」

「よく見なさい。まっ黒な宇宙を丸く区切って、ここに地球の輪廓が見える」

なるほど、それはたしかに見える。西瓜を二倍大にひきのばしたくらいの大きさであった。

「分ったかね。これが、われわれのうしろにとおざかっていく地球だ。地球が、今日は満月のように丸く輝いてみえるのだ。ほら、どんどん輝いている面積が広くなっていく」

どういうわけか、どんどんひろがっていくのであった。それは、地球の重力がとどかない遠方に、この噴行艇が出てしまったために、それで地球が早く廻って見えるのだと、あとで分った。

輝く地球は、全くものすごい。ながく見ていると、身体がさむくなってくるような感じであった。

「見ていると、身体が、ぞくぞくしてきますね」

三郎は、いつわりのない感想をのべた。