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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

三郎は、三度目のコーヒー沸しを始めた。コーヒーは沸いた。

しかし、艇長辻中佐は、部屋へかえってこなかった。

「ああ、惜しいねえ。今、艇長さんがもどってこられると、コーヒーのおいしいところがのめるのだけれど……」

艇長のもどってくる様子はなかった。

三郎は、なんとかして、こんどこそは艇長にコーヒーをのませてあげたくて仕方がなかった。なにかいい方法はないであろうか。

三郎は、しばらく小さい胸をいためて、考えていたが、やがて思いついたのは、今沸かしたコーヒーを、魔法瓶の中に入れて、司令室にいる艇長のところへ持っていくことだった。

「ああ、それがいいや」

三郎は、元気づいた。早速魔法瓶にコーヒーをつめて司令室へ持っていった。

ふくざつないろいろな器械にとりまかれた司令室で汗まみれになって、次々に号令を下していた艇長辻中佐は、三郎の持って来た思いがけない好物の飲物をうけとって、たいへんよろこんだ。

「ああ、艇夫。お前はなかなか気がきく少年だ。ありがとう。これで元気百倍だ」

艇長は、湯気のたつコーヒーをコップにうつして、うまそうに、ごくりとのどにおくった。そこで三郎はたずねた。