轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
「妾の半生涯」東京堂、1904(明治37)年10月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 64,051 字 · 122 页
苦悶はいよいよ勝るのみ、されど、妾強ちにこれを忘れんことを願わず、否昔懐かしの想いは、その一字に一行に苦悩と共に弥増すなり。懐かしや、わが苦悶の回顧。
顧えば女性の身の自ら揣らず、年少くして民権自由の声に狂し、行途の蹉跌再三再四、漸く後の半生を家庭に托するを得たりしかど、一家の計いまだ成らざるに、身は早く寡となりぬ。人の世のあじきなさ、しみじみと骨にも透るばかりなり。もし妾のために同情の一掬を注がるるものあらば、そはまた世の不幸なる人ならずばあらじ。
妾が過ぎ来し方は蹉跌の上の蹉跌なりき。されど妾は常に戦えり、蹉跌のためにかつて一度も怯みし事なし。過去のみといわず、現在のみといわず、妾が血管に血の流るる限りは、未来においても妾はなお戦わん。妾が天職は戦いにあり、人道の罪悪と戦うにあり。この天職を自覚すればこそ、回顧の苦悶、苦悶の昔も懐かしくは思うなれ。
妾の懺悔、懺悔の苦悶これを愈すの道は、ただただ苦悶にあり。妾が天職によりて、世と己れとの罪悪と戦うにあり。
先に政権の独占を憤れる民権自由の叫びに狂せし妾は、今は赤心資本の独占に抗して、不幸なる貧者の救済に傾けるなり。