轻松读懂日语经典作品
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
「面白倶楽部」1955(昭和30)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,133 字 · 310 页
二つの首は一間ほどへだてて向かいあっていた。不思議な地上の獄門であった。切断された二つの首が、そこにさらしものになっているのかと思われたが、よく見るとそうではなかった。それは生き埋めであった。姦夫姦婦を裸にして、庭にうずめたのであった。
からだがおそろしくゆれていた。地震にちがいないとおもった。逃げようとしたが、足が動かなかった。
「助けてくれ……」
死にものぐるいに叫んだ。パッと目がひらいた。それは地震ではなくて、車がゆれているのだった。ぐったりとうしろにもたれかけていたからだを起こした。すぐ前に三人の制服警官が並んで腰かけていた。そのまんなかのは、見覚えのある中村警部だった。みんな腰にピストルをさげていた。
広い車だった。両側に堅い長イスがあって、三人ずつ向かいあっていた。手が痛い。見ると、手錠がはまっていた。右となりにちょこんと腰かけている男にも見覚えがあった。殺人会社の専務、須原だった。かれも手錠をはめられていた。左どなりのまるまっちい色白の男も知っていた。ちょびひげをはやしていた。地底パノラマ王国の持ち主だ。かれも手錠をはめられていた。
「ははあ、これは罪人護送のバスだな」