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しそうとしてのぶんがく
思想としての文学
戸坂 潤
「思想としての文学」三笠書房、1936(昭和11)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 页
六
従って各種の専門領域のディレッタントによる断片的な専門的知識が、偶々夫々の専門領域の根本的な本質的な知識であれば、それを結合しているディレッタントの知識は、必要な統一を探究するのに最も手近な入口を持っていることになるわけで、問題が科学ならば、世界観的・文学的統一に到着することがそれだけ早くなるわけだし、もし問題が文学ならば、文学と科学とのコンジェニアルな点に逸早く気づく可能性が多いわけである。だが恐らくジャーナリストという言葉が一等適当ではないかと考えるが。
六
生活の文学的特性と科学的機能との関係を、今まで、科学の文学的意義と、文学の科学的意義とに於て、即ち又所謂文学と所謂科学との交錯に於て見たのであるが、これだけ見れば文学と科学との一種の平行関係に気付かざるを得ない。二つのものの間には元来一種の同一性・共軛関係があるのである。一方のものに関する法則は、適当な変更の下に、他方のものにも適用出来るだろうということが判る。イデオロギーの理論は、文学をも科学をも、イデオロギーという共通な構造の下に分析するものであるが、之によって、文学と科学とを支配する共変的(Covariant)な一定関係を見出すことが出来るだろう。