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にっき
日記
宮本 百合子
16 一九三〇年(昭和五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 51,117 字 · 103 页
三月十日
三月十一日
三月十二日
家のことを話したら、つまりここのおやじがよけいなプロシチャージ〔面積〕をとって居る為こわがって居るのだろうということ。それに外国人でよけい金をとってるから。何とかして見ようとの話。
サボイで近藤さんに御飯。二時頃かえりねる。
自分金曜日に椅子でつめた指痛くはないが押すと血が出る。
三月十日 月
先生。
出かけ、髪をきり、床屋の話をきく。麦酒の麹をかってかえった。レモン、今日はコムナールにもない。コムナールの食物のところ空々で空の木箱が置いてある。
この頃道がひどい。出て靴下をよごさぬことは不可能だ。洗いたい。指がわるくて洗えぬ。不自由この上なし。
ウイストレルを見た。Y面白くないと云い、自分もその時満足しなかったが、あとで思い出すと、やはり印象にのこってるものあり。
三月十一日 火
窓から公園を見たら小さい湖のようだった。寺のまわりを歩く。何遍も歩いてへばってしまった。Y本屋へゆき、やっと五時にかえって来て食事。
○この頃魚のカンヅメがいつも夜出る。いろんな魚だがトマト煮だ。どれもこれもトマトにたたき込んである。
三月十二日 水
今日はもうすっかりとけ、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)は洗濯水に浸ったようだ。