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にっき
日記
宮本 百合子
16 一九三〇年(昭和五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 51,117 字 · 103 页
七月十七日
七月十八日
Y、時間表を見てロストフへは明日の朝八時につくのではなくてあさっての朝八時〇五分につくのだということを発見する。
ひどいなあ、パンでもせめて買ってくればよかった! 悲痛な感じで自分は戸棚にしまって来た茶の包とサトーを思い出した。
七月十七日 木
あつくなった。
小心なるボルシェビキはチストカ〔粛清〕でつかれて眠る。自分も眠る、Yも。順番に眠った。何か話していたら急にひどい動物の鼾(いびき)みたいなイビキが聴えるので、びっくりしたらいつの間にか上の棚へもぐって、トルクメンのタワーリシチが眠ってるのだ。
○ペルシアの青年をつらまえてタワーリシチいろんなことを喋る。アジる、笑う。
七月十八日 金
ロストフは思ったよりずっとよい市だ。新興の工業地らしい、ちょっと荒っぽいが快活なところがある。街は大通フリードリッヒ・エンゲルス、ずっとアスファルトで、歩道ひろく、アカーシア並木が続いてところどころのキオスクに香水の売店がある。ホテルの食堂は歩道の上にはり出したバルコンで、みんな白い服で、ひどく夏、南らしい。ホテルの中もブフェートのところなどからりとして、陽気でカンタンで、よろしい。