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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页

青空文庫

いたずらもいい加減にし給え。態々呼びつけて置いて」

警視総監は笑い出した。

「イヤ、冗談を云っているのではない。兎も角、君の引連れて来た部下をこの部屋へ呼び集めてくれ給え」

「本当かね。オイ」

赤松総監は救いを求める様に野村秘書官を見た。

「本当だよ。僕達で少し相談した事があるんだ。やっぱり団の仕事の内なのだ。マア、警官達を呼ぶがいい」

「それじゃ、書生に命じてくれ給え」

やっと総監が納得したので、野村秘書官はすぐ様呼鈴の釦を押した。

間もなく、五名の腕節の強そうな巡査が這入って来た。

「大河原さん。で、その犯罪と申しますのは?」

赤松氏が警官の手前、言葉を改めて尋ねた。

「犯罪というのは今も申す通り、非常に重大な国事犯です。政府を顛覆し、全国に一大擾乱を捲き起そうという、驚くべき陰謀です」

それを聞くと総監は変な顔をした。伯爵は白蝙蝠団のことを云っているとしか考えられなかった。

「で犯人がこの官邸に潜伏しているとおっしゃるのですね。それは一体どこです」

「ここです。この部屋です」

総監と明智とは、キョロキョロと室内を見廻した。だが、別に人の隠れる場所もない。

「赤松さん。