轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
そこへ今度のことがあったので、丁度幸いです。あの赤ん坊の冥福を祈ってやる意味で、お墓の代りに、煉瓦のお堂を建て、そこへ秘仏を納めようと思い立った訳です」
「金むくの仏像でございますの?」
瑠璃子め、黄金仏と聞いて、目を輝かした。どこまでいやしい女であろう。
「そうですよ。妙なことから手に入れたのですが、わしの積りでは、日本の宝を一つふやしたのだと思っています。目方は六百匁程で、金地金としては大したこともありませんが、非常に古い美術品として、計り知られぬ値打があるのです。マア謂わばわしの貴重な財産です。それを保存して置く建物だから蔵と云ったので、一方例の赤ん坊の霊を慰める意味では墓であり、仏像安置の場所としてはお堂とも云える訳ですね」
ところで皆さん、黄金の仏像なんて、まるで嘘っ八なのだ。わしは散歩の折、場末の古道具屋で、つまらない今出来の阿弥陀像を買った。そいつに金鍍金をして、今云うお堂の中へ安置する積りなのだ。
なぜそんな嘘を云うのか。これには深い仔細があるのだ。わしの本当の目的は、赤ん坊の埋てあった所へ、一種奇妙な煉瓦造りの小部屋を建てることであった。