轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
十三人
わしは早速喜びの返書を認めた。そして、先ず川村を有頂天にさせる様な嬉しがらせの文句を連ねたあとへ、こんなことをつけ加えた。
ついては貴兄御帰着の当夜、心ばかりの歓迎宴を催し度く、已に当市社交界の立物T氏K氏その他十数名の賛成を得居り候えば、必ず御列席下され度、御帰着の時間には小生停車場に出迎え、その場より宴会場へ御伴い申す手筈に候
という意味は、川村が帰って、まだ瑠璃子に逢わぬ内に、その宴会場へ連れて行く必要があったのだ。
わしが瑠璃子と婚約を取交わしたことは、川村には無論少しも知らせなかった。これは瑠璃子も同意なのだ。彼女にしては、あれ程恋い慕っている川村を袖にして、わしの妻になるというのは、流石に寝ざめが悪い気がして、このことはある時期が来るまで川村には絶対に秘密にして置いてくれとの頼みであった。
川村からは折返し返事があって「私如きものの為に、S市一流の名士方が歓迎宴を張って下さるとは、実に実に光栄の至り、御指図の通り停車場よりすぐ様会場へかけつけます」と云って来た。喜び勇んでいる様子が目に見える様だ。
さて、愈々川村の帰って来る日とはなった。