轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
午後六時、わしは、来会者達をホテルの食堂に待たせて置いて、自動車で停車場へ出迎えに行った。
川村は、贅沢な新調の洋服を着込んで、一際男ぶりを上げて帰って来た。わしの姿を見ると、飛びつく様にして、
「里見さん、実に感謝の外ありません。僕もお引立てによって、どうやら一人前の男になれる様です。それから、瑠璃子さんのことを有難う。こんなことを申しては済みませんが、歓迎会さえなければ、僕は大牟田の別荘へ飛んで行き度い程に思っているのです。それにしても、万事に行届いたあなたが、どうして今夜の会に瑠璃子さんも加えて置いて下さらなかったのです」
と怨じた。
「ハハハ……おいしいご馳走はあとからということもありますよ。瑠璃子さんは益々元気で益々美しいです。安心なさい。今夜の会は男ばかりだし、君達が愈々結婚を発表するまでは、余り見せびらかさぬ方がいいと思って、態と呼ばなかったのです。あの人は停車場へも迎えに来たい様子だったけれど、それもわしが止めた位です。マア会の方はなるべく早く切上げることにするから、兎も角一緒に来てくれ給え」
わしは言葉巧に云いつくろって、彼を自動車に乗せ、宴会場へ連れ帰った。