轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
「では、あたしをどうしようとおっしゃいますの」
「わしが受けたのと同じ苦痛を与えるのだ。目には目を、歯には歯を。これがわしの動かし難い決心なのだ」
「では……」
「外でもない。お前をここへ生埋にしてやるのだ。その棺の中にはお前の何よりも好きな宝石が満ち充ちている。巨万の財産が転がっている。お前はその宝物を持ちながら、二度と浮世の風に当ることが出来ないのだ。いつぞやわしが味わったのと、全く同じ苦痛を味わせてやるのだ。
それから、もう一つの棺の中には、お前の恋人がいる。お前の可愛い赤ちゃんがいる。お前はちっとも淋しくはない筈だ。親子三人睦じく、同じ墓穴の土となるのだ」
「アア、悪人奴! お前こそ人殺しだ。情を知らぬ人鬼だ」
突然、瑠璃子の口から恐ろしい言葉がほとばしった。
「サア、そこをのけ。あたしは出るんだ。お前を殺してでもここを出るのだ。畜生め、悪人め」
彼女は叫びながら、いきなりわしに武者振りついて来た。鋭い爪がわしの肉に食い入った。
か弱い女にどうしてあんな力が出たのかと、今でも信じられない程だ。彼女はわしに組みついて、わしをねじ伏せてしまった。ねじ伏せて置いて、いきなり入口に向って駈け出そうとした。