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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
「さあ、でかけます。どこへいくのか、窓からよく見ているとおもしろいです」
博士は操縦席について樽ロケットをしずかに進ませはじめた。
ふしぎなことが起った。窓から見ている花がだんだん大きくなっていった。樽ロケットが花に近づいているにはちがいないが、それだけともちがう。やがて一つのたんぽぽの花が窓いっぱいにひろがった。
「おやおや、顕微鏡をのぞいているようだ」
東助はふしぎがった。
花は、もっともっと大きくなった。花べんが窓いっぱいになった。それからもっと大きくなって、花べんのつけ根のところにとまっている水玉が、窓一ぱいにひろがった。
「まあ、きれいだこと。顕微鏡で見た世界の中へはいっていくのね」
「そうです。物質の中へはいっていくのです。今に分子が見え、それから原子が見え、それからついに原子核と、そのまわりをまわっている自由電子の群が見えます。それは今の世の中において、一番小さな世界ですよ」
博士が、はじめてこれから案内する世界のことを説明した。
たんぽぽの花びらの細胞らしいものが見えた。それがどんどん拡大されていって、やがて大小の球がたくさん見えるようになった。