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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
――獄中手記――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页
操さんは嫁入り先の裕福な生活について祖母たちに話した。「ふん、ふん、そりゃ結構だねえ、お前さんは仕合せだよ。旦那さんの世話をよく見てあげて大切にしなきゃいかんよ」などと祖母たちは祝福の言葉と、そして親切な忠告とを与えた。と同時に自分の家の暮し向きや、芙江における地位などについて誇らしげに語った。そうした話は一日や二日では尽きなかった。その間には祖母たちは操さんをつれて庭内を散歩したり、所有地を見せたりなどもした。
私のこともまた話されたのに相違ない。操さんは私を尻目にかけて碌に言葉すらもかけてくれなかった。私は別に操さんを憎みはしなかった。けれど余り感じのいい女だとは思わなかった。
芙江から十里ばかり離れたところに操さんの知人が住んでいた。操さんはその人を訪ねようかどうしようかと迷っているようであった。
「そんなら行ってお出でよ。汽車に乗って行けばわけがないんだから……」と祖母が傍から元気づけるように言った。
「だけど、この子があるんでねえ、面倒臭くて……」と操さんはまだ躊っていた。
それは明らかに、子守として私をつれて行きたかったのであった。それを察した祖母は操さんに言った。