轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

――獄中手記――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页

青空文庫

「随分久しぶりでしたねえ、よく来て下さいました」と叔父が懐しげに言うと、

「別れてからもう幾年になるかなあ、しかし君も落ち着いて結構だ。今に立派なお知識さんになるだろうよ」と父は鷹揚にかつからかい半分に言った。

叔父は微苦笑とやらをした。

「私が兄さんのところに御厄介になったのは興津ででしたねえ、あの時私は十七でした。だからもう六年になります」

「そうそう、わしの興津時代に、あんたが来て遊んで行ったことがあるねえ。あの頃はほんの子供だったッけ……」

「だけど、あれで決して不真面目じゃなかったんですよ」

こう言って叔父はハッハッハと哄笑った。

「そりゃそうだ」と父も同じように声を出して笑った。

その頃叔父は、一時坊さんをやめて船乗りになろうとしていたのだった。その口を見つけるまでにしばらく父の家に逗留していたのだった。

そこで私はここで、叔父の経歴を少し物語っておいた方がいいと思う。

前にも言ったように、叔父は十二、三の頃に坊さんになるのだと言い出した。金子の家の後嗣にしようときめていた祖父は極力これを止めようとしたが、叔父はどうしてもその志を翻さなかった。