轻松读懂日语经典作品
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
――獄中手記――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页
学校の出来は、書き方や図画のようなものはよかったが、数学などは劣かった。数学ばかりではない、総体からいって余り上等の方ではなかった。そこで叔母は、自分達の貧乏な生活にこりごりしてはいたし、今後とても学問をさせるだけの費用が続かぬかも知れないという心配もあるしするので、賢を商人にでもしたいと思っていた。が、父は、賢の性質も考えず、自分達の生活程度のことも考えず、ただ無闇に、賢を大学にでもやって法律を学ばせ、あっぱれ偉いものにしようと考えていた。――父にとっては、法律を知っている人間は世の中で一番偉い人間で、ほかのものはみんな凡くらな一段下な人間のように見えたのである。
そういった計画の下に、父の教育方針は立てられていた。で、学問にはあまり向かない賢を、無理にも向かそうとして、時々自分の前に賢を座らせては、読本を読ませたり、算術をやらせたりしたが、その時、賢がちょっとでも読みつかえたり、問題が解けなかったりすると、頭からがみがみ叱って、はては覚えがわるいとか何とか言って頭をぽかぽかと撲りつけたりなんかするのであった。そしてそんなことから、つい小さい子供の自信を失わしめ、萎縮せしめて、せっかく上達すべきものをまで上達せしめないようにしているのだった。