轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

――獄中手記――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页

青空文庫

それでも吹雪の晩などは、雪交りの冷い風が遠慮なく部屋の中に吹き込んで、朝起きて見ると炉の脇に雪が積っているようなことがたびたびであった。おまけに荒壁一重のすぐ左隣は馬小屋で、右側は大家との共同便所だったので、不潔この上なしだった。

小林はその家に落ち着いてから、不思議に思われるくらい仕事に精を出し始めた。さし当り彼の仕事は実家の炭を賃焼きすることであった。母は母で、近所の家のお裁縫をしてやったので、そのお礼に大根や芋やその他の野菜ものが始終持ち込まれて食うだけの保証はまずこれで安心であった。そして私は、例の終業式以来ずっと御無沙汰していた学校へ再び通えるようになった。

そこでまた私は、私のこの憧れの国のことを話さなければならないが、その前にまず、この小袖部落の生活振りを一通り示さなければならない。

都会にいて七層八層のビルディングを見、銀座の眩しいショウ・ウィンドウを見ている人には自家用自動車で待合通いやカッフェー入りをする人には、夏は扇風機、冬は暖炉に、思うようしたい放題のことのできる人には、この話は嘘としか思われないだろう。しかしこれは決して嘘でも誇張ですらもない。