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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
――獄中手記――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页
とその女は、炉の側で小さな声で母に話し始めたのだった。「いいかね、×××××××××××××××××××××××××××、×××××××、××××××××××××××××××××××。×、××××××××××××××××××××××××××××××。××××××子をじっと瞶めながら、まだかまだか××××××××××。××××××××××××××××、×××××、××××××××××××××××××××××……。現に隣の嫂さんは娘時代に父無し児を生んだのを、家同志の情けから、その子をそんなにして闇に葬ってしまったのよ」
黙ってきいていた母の顔は土色になってむしろ何かに怯えているようだった。そしてただ最後に、「まあ可哀相に……」と呻いたばかりであった。
春子も「何とかされるのではないか」と私は心ひそかに心配した。けれど三、四日のすったもんだの揚句、ともかくも春子は小林の許に置いて行くでけりがついた。
けりがついた翌朝、私と母とは叔父につれられて村を出た。大家の末娘の雪さんがねんねこで春子をおぶって村はずれまでと言って送って来てくれた。
情に跪い雪さんは途々泣いて泣いて眼を紅くしていた。