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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
――獄中手記――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页
に高利貸渡世をするものが六、七戸、同じく海産物などの仲買をするものが二戸、煙草や駄菓子の小売店が二、三戸、まあざっと、こういった種類のものから成っていた。
それではこのわずかな日人部落内の状態はどうであったかというと、これはもともと利益を求めて集まって来た連中であるから、ほんとうに共同的な精神で繋がっていようはずはなく、村を支配する精神も力もすべては皆、金であった。で、金のあるものは自然と勢力があって、村の行政――というと少し大袈裟のようであるが――についても、そういった連中がはばをきかせていた。すなわち、金があって、ぶらぶら遊んでいて、流行おくれの都会風の着物を着ているような、そんな階級人が威張っているのであった。
中でも一番有力なのは、ただに金を持っているというばかりでなく、いくばくかの田や畑をもって、ここに生活の根をおろしているものであった。――それには高利貸業者が一番多かった。――それに次いでは、憲兵、駅長、医者、学校教師といった連中が有力で、この辺までの女は「奥さん」という敬称でよばれていたが、これより下の、商人や百姓や工夫や大工などの細君は一からめに「おかみさん」