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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

と、木曾がさいそくした。

「……そんならいうがね。ねえクマちゃん。この月の世界には、生物はすんでいないはずだろう」

「そうさ」

「ところが、この缶詰の空き缶のころがっているところをみると、何者かがこの月にすんでいると考えられるのだ。つまり、この缶詰をあけてたべた奴こそ、月にすんでいるふしぎな生物なんだ」

「気もちがわるくなった」

と、木曾は胸をおさえた。

「クマちゃん。だから、われわれはゆだんはならないよ。こうしているときも、いつどこから不意に、月にすんでいる先住生物におそわれるかもしれない」

「はあ、いよいよ気もちがわるくなった」

「早くひきかえして、みんなにこの空き缶をみせて知らせてやろうじゃないか」

「そうだねえ。だが、ちょっとお待ちよ」

「なにを待てというの」

「いや、ちょっとお待ちよ。三ぶちゃん。君は、ぼくをおどかそうと思って、この月の上に、へんな生物がすんでいるなどといったんだね。わかっているよ」

木曾少年が、急に三郎のことばをうたがいだした。

「あれ、クマちゃん。ぼくは君をおどかすようないじわるじゃないよ。なぜそんなことをいうんだい」

「だって、缶詰というものは、人間が発明したものじゃないか。