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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

月の先住生物が、人間と同じように缶詰を発明したとすると、あまりにふしぎだよ」

「このへんなしるしは……」

「そんなものは、符合だから、書こうと思えば人間にだってかけるよ。だから、この缶詰のからは、これまでに誰かこの月世界にとんできた地球人間の探険隊が、ここにすてていったものじゃないかと思う。きっとそうだよ」

木曾少年は、この空き缶は、ずっと前に、この月世界へ探険に来た地球人間がすてていったのにちがいないという。

「そうかしら。ぼくには、そんな風には思えないんだがねえ」

ここで、三郎と木曾との考えが、はっきりくいちがってしまった。二人は、なんだかちょっとさびしいような気もちになってだまってしまった。そして二人の足は、いつしか丘の方にむいていた。

岩石のとぎたった光の丘をのぼるのに、案外骨が折れなかった。月の上では、すべて歩行がらくであった。ちょっと岩のわれ目をぴょんととび越えるにしても、足に大した力を加えなくても、四五メートルはらくにとびこえられる。これは月の重力が、地球のそれに比べて、わずか六分の一という、たいへん小さいものであるからであった。

三郎と木曾とは、いつの間にか丘の上にのぼりついた。