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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
手にもっていた缶詰を頭の上にのせるのであった。しばらくすると、その缶詰を頭からおろす。そして怪物は缶詰の中をのぞきこむのであった。そのときは、缶詰は、いつの間にか穴があいて中がからになっていた。怪物はその空缶を、ぽいと捨てた。そしてこんどは別の缶詰をひょいと頭の上にのせた。そして同じ動作がくりかえされたのであった。
「ふしぎ、ふしぎ」
「三ぶちゃん、あれは何をやっているのだろうね」
「あれは、缶詰をたべているのさ」
「缶詰をたべているって、頭で缶詰をたべるのかい。おかしいじゃないか。なぜ口でたべないで、頭でたべているのだろうか」
「さあ、そんなこと、ぼくにはわからないよ」
頭で缶詰をたべる怪物なんて、きいたことがない。そのくせその怪物は、くちばしのような形をした長い口吻をもっていた。
あまりふしぎな光景に、われをわすれて見とれていた風間三郎は、やがてのことに、はっとわれにかえり、
「クマちゃん。早くひきかえして、辻中佐たちにしらせようじゃないか」
「ああ、そうだったね。ぼくたちは、おもいがけなく斥候隊になっちまったね」
そういって二人は、いつしか中ごしになっていたこしをのばした。