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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

今から思いかえしてみると、どうもあのころから、地球の上にいたときとは、いろいろちがった出来ごとがふえてきたようであった。

あれから間もなく、身体がなんだか軽くなったように感じた。机のうえから、物がおちるのを見ていると、なんだか、高速撮影でとった映画のように、ゆっくりとおちるような気がした。そのことを、この鳥原彦吉に話をすると、

(ああ、それは重力が、ぐんと減ったからだよ。つまり地球からずいぶんとおくへ離れたものだから、地球の引力がよわくなったんだ。物もゆっくりおちるだろうし、身体も軽く感ずるだろう。これからもっと先へいくと、重力が減りすぎて、妙ちきりんなことが起るだろうよ。気をつけていたまえ)

と、この鳥原がおしえてくれたことがあった。

三郎は、それを思い出したものだから、

「ねえ、鳥原さん。あれからのち、あまり重力が減ったような気がしないが、どうしたんでしょう」

ときいた。

すると、鳥原は、吸口まで火になった煙草を、灰皿の中でもみけしながら、

「ああ、重力のことか。重力は大いに減ってしまったさ。しかし、重力が減りすぎると、われわれの仕事や何かに、すっかり勝手がちがってくるので困るのさ。