轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さこんのいかり

左近の怒り

坂口 安吾

「講談倶楽部 第六巻第九号~第一一号」1954(昭和29)年7月1日~9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,454 字 · 95 页

青空文庫

左近のりこむ

しかし左近は怒りの色を隠していた。なぜなら左近はすでに大いなる決意をかためていたからだ。純情可憐な葉子やタコスケにそれを知られて心配をかけてはこまるからだ。

住田嘉久馬の隠れ家の金庫の中には例の秘密書類かその代金の一億五千万円かいずれかがあるはずだ。彼自身が爆破すべきはずであったその金庫をたしかに爆破してみせようと左近は決意したのである。その中にある物が秘密書類なら天下に公表してやろう。一億五千万の札束なら焼きすててやろう。いずれにしても彼が爆破して盗むべきであった品物は必ず盗みだしてみせると決意した。

「明日は海へ戻るのだから、今夜は早寝しようよ。キミたちも帰ってやすんでくれたまえ。護衛の名タンテイが寝不足じゃア心細いからね」

「そうだね。九時ごろ迎えにくるからね。おやすみ」

と二人は何も気付かずに立ち去った。

左近のりこむ

翌朝、左近は二人が迎えにくる前に腹ごしらえをして出発した。

東村山で下車して郵便局で十何頭の猛犬がいる邸宅をきいてみると、すぐ分った。

「裏口に呼鈴があるから、それを押して人が出て来てからでなくちゃア危くてはいれないぜ」

「ボクは犬の訓練に行くんですから心配ありませんよ」