轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
「面白倶楽部」1955(昭和30)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,133 字 · 310 页
「古来、殺人犯人は、死体隠匿術について、実に苦労をしてきました。土に埋めれば、掘り返した跡が残る。水に沈めれば、浮き上がる。首、胴、両手、両足と六つに切断することが、一時西洋で流行しました。そうすれば遠くへ運びやすいし、離ればなれに隠す便宜もあるというのですが、よく考えてみると、こんなおろかな手段はありません。いくら離ればなれに隠したって、発見されることは同じです。なるほど、死体鑑別には少々ほねがおれるが、一部分でも発見されれば恐ろしいセンセイションをまき起こすので、警察は全力を尽くして捜査することになり、けっきょくは犯人が見つかってしまいます。日本のバラバラ事件だって、みんな犯人がつかまっているのでもわかるでしょう。世間を騒がせて事を大きくするだけの、最もおろかな方法ですよ。
そのほかにいろいろな方法が考え出されたのですが、いちばんいいのは、死体をあとかたもなく消滅させてしまうことです。その最も幼稚なのは、大きな暖炉の中で死体を焼いてしまうという着想です。ヨーロッパの有名な学者殺人魔がこれをやって、みごとに失敗しました。暖炉の煙突から火葬場のにおいがして、付近の人に気づかれたからです。