轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页

青空文庫

蛸重は呆れたように大笑いした。

「アイツの言いそうなことですよ。ウチの婆サンは狐がついているのかねえ。妙な物が見えるらしいね。夢みたいなものが見える人間がいるもんですぜ。そんなものを本気にしちゃ、いけませんや」

蛸重はニヤニヤ人々を見廻していたが、

「ねエ、旦那。人間の身のタケというものは、爺サン婆サンはとにかく、いゝ若い男が、いくら戦争でくたびれたって、スリキレて短くなるというもんじゃないでしょう。私は昨日、復員の安彦さんをお風呂へ入れてあげましたがね。私は物好きの方でしてさ。ちょいと、まア、体重、身長をはかってあげましたよ。体重の方は減りますさね。然し、身長が六分も減っているというのは奇妙でさアね。身長五尺六寸二分、これが出征する前の安彦さんでしたがね。復員の安彦さんは五尺五寸六分ですぜ。アッハッハ。指紋というものは知りませんが、身のタケの方からじゃア、復員の安彦さんはホンモノではありませんな」

驚くべき証言であった。彼がもしホンモノでないとすれば? 彼をホンモノに仕立てた誰かゞいる筈である。なぜ?

「出征前の安彦君が五尺六寸二分だったとは、お前も物覚えがいゝじゃないか。