轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
そして、アッとたまげる婆やを尻目にかけながら、矢庭に紅葉の根元を掘り始めた。柔かい土がゴソリゴソリととれて、見る見る穴は深くなり、その底から、何か白い板の様なものが現れて来た。
「いけません。いけません。そればかりはお許しなすって下さい」
耐り兼ねたお豊が、泣き声になって、わしの手に縋りついた。
「では貴様、何もかも白状するか」
「します。します」
お豊奴とうとう泣き出してしまった。
「では尋ねるが、この土の中の白木の箱には何が入っているのか」
「それはアノ、……イイエ、わたくしがしたのじゃございません。わたくしはただ見ていたばかりでございます」
「そんなことはどうでもいい。ここに何が入っているかと尋ねるのだ」
「それは、それは……」
「云えないのか。ではわしが云ってやろう。この土の中の小さな棺桶には、生れたばかりの赤ん坊の死体が入っているのだ。しかも、その赤ん坊は実の父親と母親の為に、殺されたのだ。そして、ここへ埋られたのだ。母親というのは瑠璃子だ。父親は川村義雄だ。いいか、瑠璃子は不義の子を生みおとす為に、病気でもないのに、この別荘にとじこもって、人目を避けたのだ。