轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
わしに取っては思う壺というものじゃ。
「それは危い、そんな美しい未亡人が社交界なぞに顔出ししていては、実に危険千万ではありませんか」
「イヤ、その点はご安心下さい。及ばずながら、故子爵の親友の僕がついています。夫人の行動はすっかり僕が見守っています。貞節な夫人がそんな誘惑にまける筈はありません」
「成程成程、あなたの様な立派な保護者がついていれば安心です。イヤ保護者というよりも、あなたなれば、夫人の夫としても恥かしくはありますまい。ハハハハハハハ、イヤこれは失礼」
冗談らしく誘いかけると、川村奴直様その誘いに乗って来たではないか。
「ハハハハハハハ、僕なんか。……併し、僕は変な意味ではなく、心から瑠璃子さんを愛しています。イヤ、尊敬しているといった方がいいかも知れません。夫人を守る為には、昔の騎士の様に、身命を賭しても惜くありませんよ。ハハハハハハハ」
と、まあこんな話から、川村の訪問が二度三度と重なるに従って、段々無遠慮になって、
「実は僕、ある婦人と婚約しようかと思っているのですが」
などと、大胆な事を云い出す様になった。
「それは結構です。相手のご婦人も、どうやら想像出来ぬではありません。