轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
楽しみにして居ります」
「マア、大阪へ? 何か急なご用でも出来ましたの?」
わしよりも、瑠璃子がびっくりして聞き返した。川村の大阪行きは、姦婦の彼女にも初耳であったと見える。
「エエ、つい今し方大阪の伯父から電報を受取ったのです。長く病っていたのですが、もう愈々駄目らしいから、暫く介抱に来てくれというのです。妻子はなく、近い身寄りと云えば僕一人なので、呼寄せたくなったのでしょう」
川村は何ぜか、ソワソワと嬉し相にしている。真実の伯父の死期が近づいたのが、一向悲しくはないと見える。
それから、三人で暫く話をしている内に、川村が妙にモジモジして、どうやらわしを邪魔に思っている様子が見えたので、さては姦夫姦婦の間に何か秘密の話でもあるのだろうと察し、体よく挨拶して、二人をそこに残したまま暇を告げた。イヤ、告げたと見せかけて、ソッと庭に廻り、窓の外から内側の話声を立聞きした。
別邸のことだから、広くもない庭だけれど、植込みが茂っているので、そこへ身を隠して立聞きをするにはお誂向きであった。
「サア、約束をしてくれ給え。僕が大阪から帰ったら、正式に結婚すると」
川村の圧えつける様な、力のこもった声が聞えて来た。